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2009年01月09日(金)
高尾駅
期間:12月15日~12月31日
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店舗の立地条件や佇まい、内装や様相に、時々驚かされることがあるが、こちらの場合は、想像をはるかに超えていたのも事実である。
確かに筆者は、昨年の9月29日に伺っているのだが、今も存在するのだろうか…、狐か狸、あるいは狢に騙されたような気もするのだが…。 ■専門店 ラーメン たなか 高尾駅を下車してJR構内を通り、北口から出る。直進して甲州街道の信号に出たら右折、直ぐのバス停近くの提灯と看板を目印に右の路地に入る。 この時点で、店舗がある様相は感じられず、貴方は戸惑うはずだ。やがて左に折れる小路、その先の正面にプレハブ仕立ての小屋があり、上の看板には焼き鳥の文字があるのを見つけるだろう。しかし、ラーメン屋の佇まいではない。 貴方の戸惑いは極値に達するはず。実際、私はここと表の提灯とを数度往復している。その小屋を正面に見て、左を見てもらいたい。如何にもそれらしい大きな暖簾を見ることになる。 そこで安堵してはいけない、暖簾をくぐると、貴方の目は点になるはずである。何故なら、ごく普通の一般家庭の居間があるだけだから。もっとも4人用の座敷テーブルが2つ並んでいる状態は、一般家庭では見かけないだろうが。 運が良ければ、そこにご主人の姿を見ることになるだろう。もっと運が良ければ、先客の姿を見ることになるかもしれない。もし人の姿が見えなくても、勇気を振り絞ってガラス戸を開けて室内に入って、声をかけてみよう、「ごめんください」と。奥の部屋から現れるご主人、人柄の良さが伺える。 出された水を先ず飲むことを勧められる。湧き水とのことで確かに旨い。注文をするとご主人はガラス戸を開けて、外の小屋にラーメンを作りに行くので驚かないように。 ゆっくりと室内を眺めてみよう。飾られている賞状などを見ていると、ご主人はかつて、居酒屋を営んでいたことが伺える。ごく普通の家庭の、ごく普通の居間、お洒落感もなければ、変な気取りもない。片付いているようで、片付いてはいない、何処となく落ち着ける空間、まるで近しい間柄の友人の家を訪ねたような錯覚に陥る。 供されるラーメンは、八王子系と称されるものだが、若干異なっている。やや細目のストレートな麺は、しっかりとしたコシのあるもの。スープは、八王子系特有の醤油の強いものではなく、何処となく浅く、メリハリのないものと感じられる。具は、海苔、ナルト、味濃い目のメンマ、肩ロースと思われるチャーシューは弾力のあるもの、そして八王子系の特徴としてのタマネギが実に細かく刻まれてのっている。 そのスープの浅さに怪訝な表情をしたらしい筆者に、ご主人は、卓上にある青森産ニンニクを粒状におろしたものを入れることを勧めた。試しにとばかり入れてみる。摩訶不思議、1本筋が通り、しっかりとしたスープになる。実に旨い。何故、ここまで激変するのか分からない、マイナスとマイナスの掛け合わせがプラスになったのだろうか。筆者の表情が驚きに溢れたのをご主人は見逃さず、嬉しそうに微笑んでいた。 話好きなご主人、落ち着ける空間、夜に焼き鳥で一杯を楽しみながら、〆に八王子系のラーメンをいただく。もし近くにあったら、筆者なら通う店だが、如何せん遠過ぎる。 店のシチュエーション、雰囲気、ご主人のお人柄、全てを楽しんでもらいたい。平日なら夜、土曜や日曜なら昼から、甲州街道で提灯を見つけたら、物は試しと小路に分け入ってもらいたい。電車賃を使っても行く価値ありの店だ。未だ、やっているのなら…。 掲載日付:2008/09/05
沿線ライター:棟梁さん
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